HOTEL OF HILBERT

アクセスカウンタ

zoom RSS 雑記「学生、或いは嘗て学生であった誰かのための」

<<   作成日時 : 2007/08/15 20:52   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦

うちのブログの読者はどの辺りの年齢層が主体なのかなあ、と考えたとき。
例えば、大学生でも専門学校生でもなんでも良いです。やんちゃな人ならもっと良いです。
でも高校を出ている年齢は過ぎてるくらいな方で。
例えばそういう学校を出た後、就職して五年十年、或いは三十年、既に過ぎ去った人でも読んで欲しい――そんな、狭いようで広い範囲の人たちに奨めてみたい小説が今日のお題。
森見登美彦が紡ぐ一連の学生小説群です。
氏の今までの作品は、殆ど全てが京都の街並みと京都大学を舞台にしています。
>新釈 走れメロス 他四篇
>きつねのはなし
>四畳半神話大系
>太陽の塔
この古都でむくつけき学生どもが、日々悶々といけない劣情ややり場のない焦燥に身悶え身を焦がしつつ転げまわる様を面白可笑しく、時に幻想的に描き出すのが氏の作風です。
学生時代、古い下宿や学生寮で暮らしていたような人にとっては何処か懐かしく、同時に気恥ずかしい世界でもありますが、これが世間の小綺麗なOLさんにも受けているらしいというのが正直よく解らなかったりもします。まあ「本屋大賞二位」とか世の本好きな人に受ける、というのは何となく解るような気もするんですけどね。
でも、と私などは思うのですよ。「普通の」「現実的な」読者たちにとって、この中身は全てふぁんたじいのように見えるのでしょうか?どうなんだろう。

今更言わずもがな、かもしれませんが現役学生の描写に関しては、一部において限りなく真実に近いと言わざるを得ないでしょう。少なくとも自分の周りは、学力はともかく行動原理も生活も似たような奴ばっかりだったぞなもし。都会の所謂「大学生」のお洒落な生活など薬にしたくもないような奴らばかりでしたよ。「合コン?何それおいしいの?」みたいな人ばかり。
(無論、現実の大学生がこんなんばっかりの筈もないですけどね^^;)

まあ、だからこそ、上に書いたような「年齢制限」を敢えて設けてみたわけです。あまりにも学生たちやその周辺の人物が活写されているが故に、全くシンパシイを感じない人にとっては仲間はずれにされたようで面白くもなんとも無い小説と化す危惧も感じるわけで。
だからこそ正直、氏の文才からしてこれ「だけ」を書いているのは勿体無い気も致しますが、もっとこの世界を楽しみたい、という気も当然あるわけで中々ファンとしては微妙な所です。
無論、いずれこの限定されたテーマから氏が脱却する日は来るのでしょう。
ですがそれまでは、ひと繋がりでありながらもどこか捉えどころの無い、この不思議な世界を楽しんでいきたいものです。

ちなみに、「夜は〜」には会話にも地の文にも笑い出してしまう語り口が満載なのですが、いきなり噴いた後で何となく切なくなってしまったのが、何気なくぽこんと地の文に現れたこんな文章でした。
『恥を知れ。しかるのち死ね』
……学生時代の自分に贈ってやりたい言葉ですよええ本当に。

ちなみに氏のブログはこちら。http://d.hatena.ne.jp/Tomio/
今までの作品は実は全て素で書いてるのでは?と思わせてしまう諸々の言行がすんばらしいですね(褒め言葉)

京都が舞台、と言えば西尾維新の「戯言シリーズ」を思い出したりもしますが、千年の王城はよくよく小説家にとってイマジネーションをかきたてる都市であるようです。
夜は短し歩けよ乙女

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
雑記「学生、或いは嘗て学生であった誰かのための」 HOTEL OF HILBERT/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる