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zoom RSS 雑記「見える現在を切り取って 未来に投げ込んでみた」

<<   作成日時 : 2008/04/15 20:40   >>

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θ―11番ホームの妖精 (電撃文庫 と 10-1) 籐真千歳

首都上空に浮かぶ「存在しない11番ホーム」の駅員を務める、少女と犬とAIのお話。

おお、こう書き出しただけでえすえふっぽいですよ。
実際、中身も表紙に似合わぬハードさです。最も、理系用語が頻出する作品とは言え、全体の筋立てや問題解決のロジック自体は極めて文系的なSFライトノベル――と呼ぶのが適切かも。
メフィスト賞作家がSFを真面目に書いたらこうなるんじゃないか、的な独特の毒があります。科学技術に対するポジティブな想像力と現実社会へのネガティブな想像力の混淆。
やや茶化して言えば冷静と情熱のあいだ、みたいなっ。それって普通じゃね?って元ネタは言われてましたが、この作品に関してはむしろ冷静と情熱を等量に包括している、と表現すべきかもしれません。

優れたセンス・オブ・ワンダーを感じさせる作品であると同時に、極めて同時代的・日本的な視点に限定されたSFである、とも言える。それが多くの人に読んで欲しいと思う反面、SF側から見てもジュブナイルとしてのラノベ側から見ても微妙な立ち位置にいる作品かな、と言う印象を私に与えているのかな。
その想像力のベクトルを否定するか、あるいは同調するかにその人の立ち位置も問われるのかなとか、個人的にはそのヴィジョンを生々しく感じつつも、読者世代がこの視点を既にスタンダードなものとしているしたらそれも嫌だな、とか――お節介ながらそんなことを思ってしまいました。
作者は至って自然な連想の中でこの世界を描いたのかもしれないですし、率直にいってその意見には同調する所も多いのですが――それ故にこそ作者の視点にはより公平さが要求されるのではないかな、という危うさも感じます。
(どちらかというと有川浩さんのように、文庫よりハードカバーでこそ受け入れられる作品性かもしれません。でもガチSFはハードカバーだとやっぱり売りづらいんだろうなあ)
……なんか偉そうなことばかり書き散らして恐縮ですが、次作を楽しみに待っています。

――あと、蛇足ながら。
西晒湖さんの口調は正直酷いと思う。キャラ立ちさせたいという気持ちは痛いほど伝わってくるのですが……うん。Gardenのあざみん√をっ……てゲフンゲフ(ry
また、率直に言って絵師の方にはもう少し頑張って頂きたいと思いました。
時間が足りなかったのかもしれませんが、イラストの出来にはばらつきが目立ちます。
決まってる絵はすごく魅力的なので、余計なお世話と思いつつあえて苦言を。

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)

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