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zoom RSS えろげー雑記(40)「その向こう側を求めて」

<<   作成日時 : 2008/08/14 20:21   >>

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前編[ef - the first tale.]とまとめてやったので、別々にやった方とは印象が異なっているかもしれない。
ネタバレ前提で書いて行くので、まだやってない方はそのつもりで読んで頂けると有り難い。

とりあえず各ヒロインについて、クリア後の雑感。

>宮村みやこについて
活発なギャルゲーヒロインとしてはこれ以上なく魅力的な彼女であるが、物語をすべて終えてしまうと今一つ印象が薄い――あるいは良くないのは否めない。
まあ景視点から見てしまえばどうしたって寝取りだし。
彼女に与えられた環境が雨宮優子の環境を薄め、ちょっと優しくしたものであるためなのか、それとも物語を通しての本人の変化の小ささによるものか。
終わってみるとやや恵まれすぎじゃない?と嫌味の一つも言ってしまいたくなるというか、そんな感じ。
景ルートでは変化もきちんとしていることが描写されてはいるのだが、景に感情移入してしまったプレイヤー(主に俺のことですが)からはどうしても今更感がつきまとってしまう、かもしれない。

>新藤景について
声優のこともあり、どうしてもはるおとの和と重ね合わせて見てしまうのだが、景の場合、和のような自己完結した強さは無知に立脚しているがゆえにより脆い。実際、彼女を強くたらしめていたそれはみやこの章であっさりと打ち砕かれてしまう。
とは言え、複数エンドのあるギャルゲーなら、最終的に寝取り直すような話もありだったのだろうなーとは思う。
いや、バッドエンドの一つはそんな感じといえなくもないけど。
もしみやこルートの後、京介があれほど真摯でなくて、みやこがもし紘と破局していたら、景は強さを自分ひとりで獲得できていたろうか?いつか紘のほうから惚れてしまうような女として現れることができたろうか?
そんな話があってもいいなーと思う自分はたぶん新藤姉妹が好きなのだろうな。
カップルとしての京介と景は良く似合っている。
京介は薄められた久瀬であるが、薄いがゆえにより健全でまっすぐだ。その真っ直ぐさが殻を破ることを決めた景にふさわしかったということだろう。

>新藤千尋について
個人的には一番心に残ったシナリオだった。
彼女の「今後」についてちょっとだけ考えてみる。
蓮治は彼女のいわば「外部記憶装置」として働くことによって、彼女の内部イメージと外部イメージを繋ぐ存在になろうとしているように見える。
それ以外に、千尋が閉鎖することなく自立出来る方法はあるだろうか?
外部記憶装置+本人視点に追随するビデオカメラ、感覚を再現するシステムなどの併用によって記憶をある程度まで補うことは可能だと思われる。インターフェースとしてはすでに研究されている分野だ。
しかし一方で情報量の増大に伴う精神的な負担、記録を反復する際に生じるであろうズレ等に本人が耐えうるかどうかはわからない。仮にビデオカメラを常時ではなく、本人が「覚えていたい」情景に関して起動するように彼女なりのルールに則って定められるなら、日記の補助――繋ぐべき情報のプールとしては機能しうるだろうと思う。
ただし、本文中でも語られていたが、どんな補助があったところで、彼女が悪意に晒されることなく健康に生活していくためには周囲のサポートが不可欠である。しかし、蓮治なら最終的にはなんとかしてうまくやっていくだろうと、そう思わせる終わり方だったと思う。

>羽山ミズキについて
過去と現在を繋ぐ架け橋にして未来の象徴。
彼女は一面においては火村を支えた優子であり、同時に「優子を救う事が出来た」火村でもある。
言わば「過去」たる優子や「現在」である火村と一緒に三角形を構成する物語の骨格なのだ。
だからこそ久瀬は生きているうちに返事がもらえたのだし、優子と同じように「幸せだった」といって去るだろう。

>雨宮優子について
この物語において、死者に救いは無い。
救われるのはあくまで生者と、彼らの、彼女等の中の記憶なのだ。
だからこそ、「優子」が最後に流した涙は貴重なのだと思う。
それは多分、お伽話のなかの住人である彼女が、一瞬だけでも生者として救われた瞬間だったのだと思う。
しかしそれは同時にお伽話の終わりでもある。

――とは言え、こんな夢を見ないことも無い。
ラスト前の公園で、ミズキの前に現れた黒髪の少女。
いつかの未来に、彼女が「もう一人の優子」として火村の前に現れる。
そんなもう一つのお伽話を望んでしまう僕は、たぶんストーリーテラーとしては甘すぎるのだろう。
とは言え千尋の件といいこの少女の件といい、僕がこうした細かい部分にこだわるのは、絶望から希望へ続いて終わったこの物語から、さらに少しでも次の希望に繋がる何かを物語の欠片から掬い上げたいから、なのかもしれない。(単なる願望から来る深読みですね、わかります)

ちなみに優子ルートにおけるもう一人のヒロインたる広野凪について言えば、日本に戻ってきた凪が火村の支えになる可能性も残されてはいるだろう。それもまたストーリーとしてはありだ。

>男性陣について
この物語において主役はあくまでヒロインだ。
それぞれの章がヒロインの名から始められることが何よりもそれを雄弁に語る。
男性陣は基本的にヒロインの受け皿として機能する存在であり、物語の主人公とは正直呼びづらい部分もある。例外は導き手であり同時に乗り越えるべき境界線として存在する火村だけだ。
火村がしたようにすることで、あるいはなしえなかったことをすることで彼らはヒロインと自らを救済する。
ヒロインが優子の写し絵、あるいは存在しえた可能性であるように、彼らは火村の写し絵であり欠片なのだ。

>総括
優子ルートの重たさと救いの少なさ(無さとは言わない)はやはり好悪を分けるところだろう。他のルートもそれぞれ単一の物語としては目新しいものではないかもしれない。しかし、これを一つの大きな物語として纏め上げた労力と品質管理の素晴らしさはやはり讃えられるべきだと思う。演出やCG、音楽などには無論文句のつけようもない。
そして「物語」に惹かれ続けている人間の一人として、千尋ルートにおける「希望とイコールではないけどイコールにも変わりうる可能性」をあのような形で示してくれたことに、感謝の意を表したい。

良いお話でした。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
ef大好きな人間ですが、共感がもてました。
僕も千尋シナリオは好きですね。
というか、単なる千尋好きという話もwww
古い記事にコメントしてスミマセンm(_ _)m
k2
2008/09/07 20:06
こちらこそはじめまして。コメントありがとうございます。
アニメを先に見た方だとゲームをやったときの印象も若干異なるようですね。
私はアニメのほうは見ていないので何とも言えませんが、ゲームのほうの話の流れは非常に良かったと思います。蓮治が見た目より芯が強く描かれていたのも好印象でしたね。
紅茶の人
2008/09/08 20:31

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