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zoom RSS 雑記「ビアンカ・オーバースタディ」

<<   作成日時 : 2012/10/19 20:14   >>

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宿題が残っていたのです――


ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)
講談社
筒井 康隆

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 先日読書会というものに参加させて頂きまして、その時の課題図書がこれだったわけですが、感想をまとめていなかったのを今頃思い出したのでこのへんに置いておくこととします。
 
 繰り返しの展開がだんだん大風呂敷になっていってうんたらかんたら、というのはまあ王道というかよく使われる手法で、筒井御大自身も過去の作品ではよくやっていたと記憶しています。
 予想以上にハルヒのパロディと時かけのセルフパロディが多かったので、単独作品というよりはやはりハルヒや時かけへのセルフオマージュ、応答として読むべきなのだろうとは思いました。
 とは言え、そもそもハルヒ自体が時かけオマージュとも呼べるので、この辺はオリジナルはそもそもどこに、みたいな話ではあるかもしれませんね。

 題材が題材だけにビアンカはエロいといえば確かにエロいのですが、基本全部寸止めなので青少年のなんかは守られているような気がします。ヤクザの金玉は守られなかったのでかわいそうです。
 のいぢはどうせ今までもエロ絵いっぱい書いてきたんだからもっとサービスをですね、みたいなことは感じました。
 後半投入されたロッサは、まあかわいいということにはなっているのですが具体性というか身体性に欠けるので印象が薄いです。もう一人の、スケバン風のあっちの子のほうがかわいく見えるあたりに筒井の好みがかいま見えます。あとこの子後輩連れ出したあと絶対搾り取ってますよね。その辺の描写がさらっと流されてるあたりは筒井らしくてよいなーと思いました。
 ただ、このさらっと流されてる、と言う部分が他の部分においてもそうなのは少々残念。
 人面蛙の切なさみたいのも表層で流しておしまい、みたいな。
 SFとしてはわりとどうでもいいレベル。風刺としてはもっとどうでもいいレベルに結果落ち着いてしまっています。
 ただ、セルフパロディとして考えるならよく出来た作品であるとも言えるでしょう。
 太田が狙ったのかどうか知りませんが、いわゆる既存のラノベを笑い飛ばすような大仰な意味を孕む作品ではないと思います。良くも悪くも「パロディ作家としての筒井」らしく真面目にパロディをやった作品ではありますが。
 最も、ひょっとすると筒井や太田が毒のつもりで込めたものがメタなネタに慣らされた読者にはもはやあまりダメージを受けるような類のものではなかった、ということなのかもしれませんが、それは果たして太田が悪いのかあるいは筒井も人並みに老いたということなのか――さて、どちらでしょうね。
 
 個人的には好きですが、それは筒井康隆が書いているから、という事実に依る所が大きいです。
 別人がこういうパロディを書いたとしたら、おそらくどうにもならない代物になっていたでしょうから。ただ、筒井康隆の作品としてラノベ読者に薦めるなら、自分ならわざわざこれを薦めたりはしないでしょうね。

 「時をかける少女」は措いておくとしても、「驚愕の荒野」「虚航船団」「旅のラゴス」「歌と饒舌の戦記」「朝のガスパール」「フェミニズム殺人事件」「富豪刑事」「パプリカ」「文学部唯野教授」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」「村井長庵」(ぉぃ)あと諸々の名短篇等々(「串刺し教授」とか好き)、少なくともハルヒを楽しめる程度の年齢なら楽しめるであろう作品はたくさんありますし。

 勿論ラノベ的であるかどうかは問わないのであれば、ですが――上記に挙げた作品は実際そんなに離れていないのではないかなーと思います。特に「驚愕の荒野」や「虚航船団」あたりはちょっとひねったラノベが好きな人なら全く違和感無く入り込めるのではないでしょうか。
 あと、筒井康隆は書評・評論においても大変興味深い文章を多く書いています。今なら大抵文庫で読めますので、その辺も興味があればどうぞ。「言語姦覚」あたりは今読むと多少古さは感じるかもしれませんが、筒井のスタンスを知る上ではわかりやすいかもしれません。
 
 正直なところ、最近の自分は筒井の作品を真面目に読んでいるとはいえなかったのですが、今回読書会に参加させて頂くことで改めて筒井の面白さを再確認したような気がしました。
 「ダンシング・ヴァニティ」あたりはその内読もうと思います。
 
 それでは、今回はこんなところで。

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