雑記「歌と饒舌の洗礼」

三巻で完結、と聞いたので買ってあった一、二巻とまとめ読み。


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 結果的には一気読みして良かったように思う。
 一巻は応募作が元だけに単体でまとまってはいるのだが、それでも全体から見ると序章にすぎない。
 通して読むと二巻の加速感と熱量の高さにひたすら僕は圧倒された。
 その仕込んだネタや仕掛けの多さも勿論だが、それと骨太な話が同居していることが何よりの魅力。
 僕が最初に思い出したのは筒井康隆「歌と饒舌の戦記」だったのだが、あれほど精緻にコントロールされてはいないものの、ここには技の巧拙など問題にしない熱量と「十一組」皆の息吹がある。
 そして、ほぼ終始過去形で語られる三巻はその熱をあるべき所に着地させるためにだけあると、そう言っても良い。ジュブナイルとして圧倒的に正しいその結末は、彼らの一言一言をきちんと読みたくなるものだった。
 しかしそれは、同時に彼らの行く先をもっと見たい、という気にもさせられるものではあって。
 
 言葉の端々にやがて再び訪れる冬を感じ取るか、それとも希望に満ちた春を感じ取るか。
 それは個々の読者によって異なるだろうが、僕としては何だかんだありつつも、この十二人はずっと笑っていそうな――そんな気がするのである。


 とは言え、このまんま捨て置くのは勿体ない気もするので、いつか作者にはまたこの世界を舞台にしたお話を書いてもらいたいところ。
 シャーリックのスラングをもっと知りたい。
 そんな感じで。
 

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