雑記「セカンドノベル。」

コンプリートしたのでちょろっと感想など。


セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~
日本一ソフトウェア
2010-07-29

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 ADVというかノベルゲーでこれだけ集中してやったのは久しぶりなので、面白かったのは間違いない。
 何度も移り変わっていく物語から真実を追い求めていく過程で、その真実すらまた不確定のものとして覆され続けるその構造も目新しいものではないにしろ非常に興味深かったし、それを可能にしたシステムも前提ありきとは言え良くできていたと思う。
 ただ、ぶっちゃけ再プレイしたいとは全く思わない。
 プレイ中何度も流れを再確認しつつ次のセクションに進むせいで、実質複数ルートをプレイしているのと似た形になっているせいもあるが、僕が正直なところ気になったのは物語というかこのゲームの本質的な技巧性というか作り物臭さだ。

 以下、全く個人的な感想としての批判を述べる。

 このノベルゲーの構造はヒロインの病を前提として構築されたものである。
 しかしプレイ後の感想はむしろ「構造を前提としてヒロインの病が発想されたのではないか?」というものだった。
 そう感じさせてしまうということは、システムの敗北であり同時に物語の敗北ではないか?

 このシステムと物語の組み合わせはゲームに没入させるツールとして極めて優秀であり、故に「セカンドノベル」のゲーム性は優れている、と言うことはできよう。
 しかし物語として、あるいはノベルゲーのシステムとしての理想を提示したとは全く言えない。

 単にバランスが悪い、というのではなく、システムが物語の堅牢さを殺し、物語がシステムの狡猾さを助長する――それは不幸な結婚が優れた子を産み落とした、という状況に似ている。
 最も、物語の堅牢さという点については、そもそもこの物語が真実を求める度に不確定なものとして覆され続けるものとして羅列されている時点で「予め損なわれている」ので、システムだけに責任を負わせる訳にはいかないだろう。 
 しかし、これが先に述べた「構造を前提としてヒロインの病が」という疑問と結びついたとき、プレイヤーにはなんとも言えないやり切れなさが生じてしまう。
 簡単に言えば「醒めてしまう」のだ。
 そこが唯一、勿体ないなーと思う。

 ともあれ、このシステム自体は「前提」をもう少しゆるく――あるいはゲーム中の縛りあるいはルールを変更することで、今後ノベルゲーの分野により多くの可能性をもたらすのではないかと感じたので、より磨かれていって欲しいなあとは思う。
 そして、それに合う物語とは、最初からシステムへの最適化を「目指して」構築されるのではなく――純粋に優れた物語をさらに「優れたものとするために」改めて再構築されるべきものだろう。

 「戦争のために、次の戦争のために、次の次の戦争のために」

 そんなわけで、次に期待したい。

 ファーストノベルについても少し述べておくと、これは作中で蒐集された「物語」というスタイルを取った短編の集まりである。当代きってのライター陣が参加しているだけあって、それぞれ味わい深い――がテーマがテーマだけに読んでいて必ずしも楽しいというものではない。
 これらの読後感も含めて、セカンドノベルという作品全体につきまとう「意地の悪さ」もまた不幸な結婚の結果ではないか――僕はそんな風に思うのだ。

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